アスペルガー症候群 小学生 特徴 改善方法

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サリーとアンの課題

 

アスペルガ症候群 心の理論

アスペルガー症候群の子供は、相手の気持ちを察することが苦手です。詳しくは下記で説明しますが、他人の心を理解するためには、年齢と共に「心の理論」と呼ばれている概念が発達していく必要があります。その心の理論が発達しているかを確かめる方法として、「サリーとアンの課題」がよく用いられます。

 

A. サリーは、遊んでいたぬいぐるみをカゴに片付け部屋から出ていきました。
B. 次に、アンが部屋に入ってきて、ぬいぐるみで遊びました。
C. アンは、そのぬいぐるみを机の引き出しに片付け部屋を出ていきました。
D. また、ぬいぐるみで遊ぶために部屋に入ってきたサリーは、どこを探すでしょう?

 

「サリーは、ぬいぐるみをカゴに入れて部屋を出て行ったので、まずカゴの中を見る(探す)」と答えられるようになるのは5歳前後です。しかし、アスペルガー症候群の子供が正解できるようになるのは、もう少し年齢が上になってからです。それは、アンが引き出しにぬいぐるみを入れたことが頭に残っている上に、サリーの視点に立って考えることが難しいためです。

 

アスペルガ症候群 逆さバイバイ

 

あと、手の平を自分に向ける「逆さバイバイ」も、アスペルガー症候群の子供によく見られます。これは、自分と相手の立場を転換させることが苦手なためだと言われています。しかし、アスペルガー症候群の子供の場合、成長とともに相手に手の平を向けてバイバイが出来るようになります。

 

アスペルガー症候群の子供を持つ親の役目

 

アスペルガ症候群 小学生 親

アスペルガー症候群の子供に知的な遅れは見られません。そのため、周囲の人達とコミュニケーションを取ることも出来ますし、正確にものごとを理解することも出来ます。しかし、アスペルガー症候群であるがゆえの特徴もあり、程度の差はありますが主に3つの大きな特徴があります。

 

小さなうちは少し変わった子供としか思わず、さほど気にしていなくても、幼稚園や小学校へ行くようになって、周囲との関わりが増えてくると、少し変わった子供として見過ごせなくなってきます。ただ、アスペルガー症候群であることを認識し、その特徴を理解していれば子供のためになる対応が出来ます。

 

しかし、アスペルガー症候群であることを認識できていなければ、親の躾(しつけ)が悪いためだと思い込み、何度言っても子供に伝わらないイライラ感から育児に悩むことになります。そのため、まず子供がアスペルガー症候群であることを受け入れ、その特性に合った育児方法を取り入れることが大切です。

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アスペルガー症候群の3つの特徴

言葉の使い方や理解の仕方が独特

アスペルガ症候群 言葉の使い方が独特

算数であれば「1+1=」と質問されれば、誰でも「2」と答えます。それは、それ以外に答えがないからです。しかし、普段の会話では、まわりくどい言い回しをしたり、文字通りの意味で言葉を使わないことが少なくありません。例えば、「顔を洗いなさい」と言っても、歯みがきをすることまで含まれていると察することができず、顔を洗うだけと捉えてしまいます。

 

そのように、行間を読むようなことが出来ず言葉をストレートに受けてしまうため、冗談が通じないだけでなく皮肉さえも理解できません。そのため、大人になってからでも、会社で「やる気がないなら帰れ!」などと怒られると素直に帰ってしまいます。

 

あと、「暑いですね」と言われれば、「そうですね」や「本当に暑いですね」などと答えるのが普通ですが、アスペルガー症候群の子供は「今の気温は36℃です」など答えてしまいます。挨拶代わりに「元気?」などと言われると、オウム返しで「元気?」と答えてしまうこともあります。

 

アスペルガー症候群の子供の場合、抑揚のない話し方や大人じみた口調も特徴のひとつです。これは子供らしくないため、周囲の大人たちに違和感を感じさせます。難しい言葉を使うこともありますが、意味を理解できていないため使い方を間違っていたり、不自然なほど難しい言葉を頻繁に使うこともあります。

その場の空気を読んだり、相手の気持ちを察するのが苦手

 

アスペルガ症候群 小学生 空気が読めない

人は、言葉以外のしぐさや表情なども同時に読み取りながら、相手の考えや気持ちを察しています。しかし、アスペルガー症候群の子供は、しぐさや表情から相手の気持ちを察することが出来ません。そのため、相手を理解する手段は、相手が発する言葉だけとなります。例えば、相手が"やせ我慢"して「大丈夫だよ」と言うと、我慢していることを察してあげることが出来ずキツイ言葉を返してしまうことがあります。

 

アスペルガー症候群の子供は、自分が発した言葉で、相手がどのように感じるかを想像することも苦手です。そのため、思ったことをそのまま言葉にしてしまうことが少なくありません。例えば、「きみ、体が臭いね」などと相手を傷つけるようなことを言ってしまいます。あと、自分の気持ちを相手に伝えることも苦手であるため、困っていても助けを求めず一人で悩んでしまうこともよくあります。

 

アスペルガー症候群の子供は、自分が興味あることであれば、いつまでもその話を続ける傾向にあるのですが、相手の気持ちを察することが出来ないために、相手が迷惑そうにしても意に介さず、いつまでも話し続けることがよくあります。これは、自分が興味を持っていることは、相手も興味を持っていると思い込む傾向が強いため、話すことに一生懸命で相手のことまで気が回らないためと見られています。

 

あと、相手との距離感に対して無頓着であるため、相手と異常なほど近くで喋ったり、逆に相手の方を見ずに顔をそむけた状態で喋ることもあります。

行動パターンが同じで、こだわりが強い

アスペルガー症候群でなくても、環境が変われば不安を感じるものです。そういった不安の感じ方が、アスペルガー症候群の子供は強いのです。そのため、いつもと違う状況になると不安を感じ混乱してしまい、パニックになることがあります。例えば、時間・道順・配置など、それらがいつもと違っていると、周囲の世界に対して強い不安を感じて混乱してしまいます。逆に、それらがいつもと何ら変わらなければ安心することが出来ます。そのため、少しでも普段と違う状況になることを嫌い、いつもと全く変わらない行動パターンを取ろうとするため、アスペルガー症候群の子供は"こだわり"が強いという風に見られてしまいます。

 

他には、体を前後に揺らしたり、爪を噛んだり指をしゃぶったりなどの行動が見られることもありますが、それらも強い不安からくるものです。アスペルガー症候群の子供は、強い不安を感じると、それらの行動に没頭することで周囲の情報を遮断し、強い不安を寄せ付けないようにしようとします。そのため、それらの行動を無理矢理やめさせようとすると、不安から混乱を引き起こしパニックになることがよくあります。

 

アスペルガ症候群 小学生 こだわりが強い

あと、時間・道順・配置などに対して強いこだわりを見せるのは、自分だけでなく周囲の人にも強要しようとします。例えば、友達が時間を守らなかったり、いつもと違う場所に物を置いたりすると、キツイ口調で注意してしまうため、小学校などでクラスメートから、うとましく思われたり威張っていると思われたりすることが少なくありません。

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アスペルガー症候群は治るのか?
自分の子供がアスペルガー症候群と診断されて、アスペルガー症候群は治るのものなのか?と専門医に尋ねたと思います。その答えは、風邪などのように治るというものではないことを伝えられたはずです。いずれにしても必要なのは、アスペルガー症候群の子供への適切な教育です。まず、親がアスペルガー症候群であることを受け入れたのであれば、あとは社会に適応していくための手段を教えていくだけです。アスペルガー症候群の子供たちは、特殊な感性を持っているだけですから、まわりの人達がそれを理解して支援していけばいいのです。特に親の支援は不可欠となります。親御さんたちは、当然それを理解するのですが、専門書などを読んでも、実際に何をどのようにすれば良いのかピンと来ない場合が多いようです。そのような場合は、小学生アスペルガーの子供を持つ親御さんの話が参考になります。同じ小学生アスペルガーの親ですから、悩む部分なども共通点が多くなります。特に、どのような問題に対して、どのように接してきたのかが非常に参考になるはずです。
アスペルガー症候群の小学生の教育
アスペルガー症候群の小学生だけでなく、成人のアスペルガー症候群の人でも同じですが、アスペルガー症候群の人達の多くは、「自分の考えていることを理解してもらえない」「相手の言いたいことが理解できない」「まわりから、自分が嫌われる理由が分からない」などの悩みを持っています。その場合の「まわりの人」というのは、親などの身内も含めての話しですから、かなりの苦痛となっているはずです。上司から、「もうオマエ、いいよ」と言われても、「何がいいのか分からない」のがアスペルガー症候群なのです。従いまして、まず親がその部分を理解してあげて、「このようなとき、相手はどう考えているのか」「そのような言い方をすると、相手はどんな風に感じるのか」などをひとつずつ教えていく必要があります。
アスペルガー症候群の小学生と学校支援
小学生アスペルガーにとって、避けては通れないのが学校の問題です。学校の先生達の理解なしでは、小学生アスペルガーにとっては小学校が苦痛なところとなってしまう可能性がかなり高くなるからです。しかし、アスペルガー症候群という障害を全く知らない先生も多いため、親御さんが小学校の先生と話しをして、アスペルガー症候群を理解してもらう必要があります。多くの先生は、アスペルガー症候群の説明をすれば理解し納得して下さるのですが、中にはアスペルガー症候群を理解してくれない先生がいるのも事実です。アスペルガー症候群の子供がいれば、学校のことなど色々と考えていかなければならない問題がありますが、それらは、親目線の体験者の話が分かりやすく実践もしやすいものです。子育てに悩む前に、先輩の実体験を知って、あなたのお子さんも社会に出て独り立ちできるように育ててあげて下さい。
アスペルガー症候群の小学生を持つ親御さんの悩み
あなたのお子さんがアスペルガー症候群と分かるまでは、少し変わった子供だな…と思う程度で、何かあれば普通に叱ったりしていたと思います。しかし、思うように言うことを聞いてくれなかったりで、ご自身の教育方法が悪いのではないかと悩んだりもしたかと思います。しかし、お子さんがアスペルガー症候群であることが分かったのであれば、お子さんに合った教育方法をすれば良いと分かったはずですから、それまでの悩みが少しは軽減したのではないでしょうか。ただ…、実際の生活の中で、何をどうすれば良いのか具体的な部分に関しては、よく分からないとおっしゃる親御さんが多いので、あなたも同じかも知れません。そのような場合、アスペルガー症候群の子供を社会に適合させるためのマニュアルなども多数あります。それらの中で、あなたが取り組みやすいモノをひとつ見つけ、焦らず実践して下さい。